負債総額約80億円大手脱毛サロン「シースリー」を運営するビューティースリー、2023年9月25日自己破産申請

国内に63店舗展開、債権者約4万6000人、負債総額約80億円、一部店舗はFAVORIX BEAUTY株式会社が引き継ぐ

シースリーの経営破綻「一連の出来事と影響」

シースリーは、2023年8月に広告を停止し、8月末には突如として業務提携を発表。しかし、この提携が実質的な経営の困難を隠しているのではないかとの見方が強まり、顧客と業界に混乱をもたらしました。詳しい経緯については、こちらを参照してください。

令和5年9月25日自己破産申請

結果的に、令和5年9月25日、女性専用脱毛サロン「シースリー」を全国に展開していた株式会社ビューティースリー(以下、ビューティースリー)が東京地方裁判所に自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けたと発表。この発表により、以前の記事の倒産への心配が実現された形となりました。

実は、9月半ばには、シースリー公式サイトにて、フェイバリックスグループによる業務提携の一部解除の発表がされ、提携先を募っているというお知らせがあがっていたため、心配の声が更に高まっていた状況でした。

今回の経営破綻の被害人数(債権者の数)は約4万6000人に上り、負債総額は約80億円に達していると報告されています。今回の倒産は、エステサロンの倒産としては過去3番目の規模となるものであり、業界にとって大きな影響を与えることが予想されます。

ビューティースリー(シースリー)企業概要

ビューティースリーは、2007年(平成19年)8月に設立された脱毛サロン経営業者で、東京、神奈川、埼玉を中心に国内に63店舗を展開していました。同社は、永久通い放題プランを売りに、無料カウンセリングの提供や24時間オンライン予約可能などのサービスを強みとし、ゴージャスな雰囲気の個室を完備していることで知られていました。また、テレビCMやWeb広告、ホームページによる集客活動を積極的に行っており、2019年7月期には年収入高約22億円を計上していたことが明らかになっています。

自己破産申請の背景

シースリー(ビューティースリー)の経営難は、主に安価な永久通い放題プランの提供による広告宣伝費の増大、施術数を増やすための店舗数の拡大やそれに伴う固定費の増加、新規顧客の減少、そして新型コロナウイルスの影響による全店舗休業が原因とされています。
特に、広告宣伝費の増加は、テレビCMやWeb広告などでの集客活動に伴うもので、これにより経営はさらに厳しさを増していました。
また、永久通い放題プランにより既存顧客は増える一方で、新規顧客の獲得が難しくなり、収益の確保が困難になっていたようです。さらに、新型コロナウイルスの影響で全店舗休業を余儀なくされ、地方主要都市への積極的な出店や本店移転、研修センターの拡充にともなう負担が重く、債務超過に陥っていたことが報告されています。

負債状況と債権者への影響

シースリー(ビューティースリー)の負債総額は約80億円で、債権者は約4万6000人に上るとされています。これにより、エステサロンの倒産としては過去3番目の規模となっています。破産手続に関する情報や破産管財人からの連絡は、ビューティースリーの特設ウェブページで公開されており、債権者や関係者に向けて情報提供が行われています。今後、破産手続における清算が進行する中で、債権者に対する配当の可能性や具体的な破産手続きの進行状況などが明らかになることが期待されています。

一部店舗とサービスの引き継ぎ

FAVORIX BEAUTY株式会社が、ビューティースリーが提供していた脱毛の施術サービスおよび一部店舗の運営を引き継ぐ旨が報告されています。この引き継ぎは、ビューティースリーの破産手続き開始前の取り決めによるものであり、FAVORIX BEAUTY株式会社による運営下で、顧客へのサービス提供が続行される見込みとなっています。具体的な引き継ぎの詳細や連絡先については、近日中に公表される予定となっていますが、

公式の発表によると、

弊社は、破産手続において清算をいたしますが、弊社一部店舗の運営は、FAVORI X BEAUTY株式会社に引き継いでいただくとともに、会員さまに対する脱毛の施術 のサービスの提供も、同社に一部引き継いでいただき、同社から、会員さまに対して、サ ービスを提供させていただくことを予定しています。FAVORIX BEAUTY株式 会社さまに営業を継続していただく弊社店舗は、以下の店舗を予定しております。 青森店、八戸店、盛岡店、仙台一番町店、秋田店、高崎店、柏店、千葉店、北千住西口 店、町田店、新潟店、松本店、松江店、大分店 (「どこでも予約」サービスは本日以降廃止となりますが、営業を継続する上記店舗に て、既にご予約をいただいているお客さまのご予約は有効です。ご予約いただいたとおり にご来店いただければと存じます。今後の予約方法に関しましては、改めてご案内を差し 上げる予定です。) 上記店舗のお客さま以外の方も、上記店舗やお近くのFAVORIX BEAUTY株式 会社さまの店舗にて、サービスの提供を受けていただくことができる場合がございます。 FAVORIX BEAUTY株式会社さまの体制が整い次第、同社から順次ご連絡を差 し上げますので、お時間頂戴できますよう、何卒お願い申し上げます。 (上記のとおり、「どこでも予約」サービスは本日以降廃止となります。恐れ入ります が、営業を継続する上記店舗以外でのご予約は、一旦全てキャンセルとさせていただきま す(弊社より既にキャンセルをご連絡済みのお客さまもいらっしゃるかと存じます。)。今 後の予約方法に関しましては、順次ご連絡を差し上げる予定ですので、今しばらくお時間 頂戴できますと幸いです。) 一方で、札幌大通店、札幌駅前店、旭川店、帯広店、金沢店、高知店等を利用されてい たお客さまにおかれましては、お近くで、上記の営業継続店舗、FAVORIX BEA UTY株式会社さま店舗のいずれも営業を行っておらず、FAVORIX BEAUTY 株式会社さまでのサービスの提供が困難な場合がございます。サービスを提供させていた だくことができないお客さまに深くお詫び申し上げるとともに、何卒ご理解を賜りますよ う、お願い申し上げます。

引用シースリー

上記の通りとなり、サービスを提供させていた だくことができないお客さまに深くお詫び申し上げるとともに、何卒ご理解を賜りますよ う、お願い申し上げます。

と発表されてしまっているため、返金を望むことは難しく、唯一の施術に対しても文章の通り諦めるしかない可能性が高いようです。

他大手サロンの困難シースリーだけでなく、脱毛ラボとキレイモ

昨年2022年8月26日には、有名人気脱毛サロン「脱毛ラボ」の運営会社「株式会社セドナエンタープライズ」が破産手続きを開始。また、2022年4月26日にはキレイモで従業員への給与未払いや解約金の返金滞りが報道されるなど、心配されている中で、今回のシースリーの倒産(自己破産申請)。
私が通っているサロンは「安心」と思った束の間の出来事で、今回の事態に怒りと悲しみに暮れている人は4万6000人と莫大な人数へと膨れ上がってしまいました。

永久通い放題プランの影響

大手脱毛サロンの相次ぐ経営破綻はなぜ起こっているのでしょうか。その理由と言われているのが、脱毛サロン業界での「永久通い放題プラン」の提供
実は、シースリーも脱毛ラボもキレイモもこの永久通い放題プランを売りにしていた店舗となります。この永久通い放題プランの提供によって、莫大な売り上げには繋がるが、顧客が増えることで更に予約が取りにくくなり、顧客の満足度が下がるため、不満の拡大に繋がってしまう。それによって、新規顧客の獲得が難しくなり、売上げの減少と悪循環が進行し経営困難へというのが現状のようです。

永久通い放題プランの顧客のデメリットと企業のメリット

上記の通り、実はお客様にとってはデメリットしかないこの永久通い放題プラン。しかし企業にとってはメリットに!?
具体的には、永久通い放題プランという魅力的な安価なプランで多くの契約を獲得し、会社としてお金を溜めるだけ溜めて、最終的には倒産へとつなげているのでは?と囁かれております。もし仮にこのような経営不振になったサロンの買収や事業譲渡をする場合、永久通い放題プランしかいないお客様を引き継ぐのは、買う側のかなりのリスクになるため、受けいれる企業はほぼないでしょう。
今回のシースリーの件も、フェイバリクスグループが事業譲渡という話になっておりましたが、上記も含め、更にはシースリー従業員へ事業譲渡2日前に発表した際に、シースリースタッフがほぼ辞めてしまいスタッフ0人の店も続出し、お店が全く回らない状況となったため、9月中旬に事業譲渡の見直しがされたのではと言われております。

まとめ

広告宣伝費の増大と新型コロナウイルスの影響などにより、シースリー(ビューティースリー)は経営難に陥り、最終的に自己破産を申請するに至りました。負債総額約80億円、債権者約4万6000人という規模の破産は、エステサロン業界において大きな影響を与えるものとなり、今後の業界全体の動向や他のエステサロン経営者に対する影響などが注目されています。
ただ、綺麗になりたいという女性の思いはもちろん枯れることはないので、今後のサロン選びが気になるところです。現在人気脱毛サロンにおいても、永久通い放題プランを売りにしているところが多いため、今後はサロン選びが慎重になりたいところです。
永久通い放題プランを売りにしていない有名脱毛サロンでいえば、効果満足度も高いコロナ禍でも店舗拡大しているルミクス脱毛サロン「ラココ」、全国店舗数1位の有名芸能人起用の老舗エステサロン「TBC」、安定の声が高い上記2社を検討するのもおすすめです。

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