いつの時代も新社会人の本音は上の世代とは違っていくものです。令和の時代に社会に出た若者の本音はどういったものなのでしょうか。ここではいくつかのアンケート調査を元に解説していきます。
若者の仕事観とは
現代の若者が仕事に求めるものはなんでしょうか。
仕事において一番のやりがい
1位 | 給料がいいこと | 29.2% |
2位 | 人から感謝されること | 17.3% |
3位 | 人の役に立つことができること | 16.4% |
4位 | 成長を感じることができること | 14.9% |
5位 | 尊敬できる仲間と仕事ができること | 8.2% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
仕事に対する価値観とは
1位 | プライベートを大切にして働けること | 49.4% |
2位 | 人間関係の良い職場環境で働くこと | 45.5% |
3位 | より多くのお金を貰うこと | 38.5% |
4位 | 自分らしい生活ができること | 36.2% |
5位 | 専門スキル・知識が身に付くこと | 21.0% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
アンケートから読み取れるのは、働く理由のほとんどが自分のためという意識です。社会における自分の役割も意識していないわけではありませんが、まず自分の利益をしっかりと見据える姿勢がうかがえます。逆に自分を抑えて社会や会社に尽くすような旧来の意識はほとんど見えませんね。自分さえよければそれでいいという考えではなく、まず自分を大事にし、その上で周囲と協調していく考えなのでしょう。
職場のあり方とは
意識の変化は求める職場のあり方にもあらわれています。
仕事を楽しむ上で一番工夫していること
1位 | 人間関係をよくすること | 23.8% |
2位 | 物事をポジティブに捉えること | 17.8% |
3位 | スキルを身に付けて自分ができることを広げること | 16.4% |
4位 | 自分の裁量で仕事に取り組むこと | 12.5% |
5位 | いろいろな人と関わりを持つこと | 10.2% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
思い描く理想の上司像とは
1位 | 人柄が信頼できる | 33.8% |
2位 | 話がしやすい | 29.2% |
3位 | いつでも相談できる雰囲気がある | 26.2% |
4位 | 指示が的確 | 21.0% |
5位 | 知識や経験が豊富 | 17.1% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
仕事上の工夫にせよ、上司に求めるものにせよ、協調性が上位に置かれているのが特徴です。 既にある職場の人間関係にひたすら合わせていくのではなく、お互いに歩み寄る事を前提とした意識が見て取れます。仕事のやりやすさを重視した回答も多いです。会社に従属するのではなく、会社と対等に向き合う姿勢がうかがえますね。
思い描く未来像とは
若者が見据える未来はどのようなものでしょうか。
将来なりたい像
1位 | 気配りができる人 | 50.0% |
2位 | 優しい人 | 32.3% |
3位 | 家族を大切にする人 | 30.7% |
4位 | 行動力のある人 | 20.1% |
5位 | 明るい人 | 17.8% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
次の職場を選ぶときの条件
1位 | 収入・給与 | 45.0% |
2位 | 休日 | 31.2% |
3位 | 年収 | 25.3% |
4位 | 勤務地 | 24.5% |
5位 | 福利厚生 | 24.2% |
引用元:「ハタラクティブ 若者しごと白書2019」
目指すべき将来像の上位が、いずれも周囲との協調を意識したものです。家族をはじめとした、周囲にいる人との関係を重視していることがよくあらわれています。また転職の際に考慮する条件からは、仕事は生活を成り立たせる手段であるという意識も強く出ていますね。人生の主軸が仕事ではなく生活や人間関係に置かれているのでしょう。
どう接していくべきか
若者の重視するものは以前に比べると、悪く言えば即物的に、良く言えば現実的になっています。現代の若者は「言わなくてもわかってもらえる」とは考えておらず、同時に言われていないことを考慮には入れません。
「頑張ればいつかきっと報われる」などという曖昧な希望を持ってはいないのです。若者を動かす上で重要なのは、目に見える利益を約束することでしょう。社外の取引先に明確な利益を提示するのと同じように、ビジネスとして接する姿勢が必要です。